「歩けるのに車椅子?」と聞かれた私が実感した、車椅子で得られる意外なメリット
「歩けるのに車椅子を使うのはおかしい?」そんな疑問や周囲の視線に悩む方は少なくありません。実際に車椅子を選んだ私の体験を通じて、車椅子で得られる意外なメリットや生活の変化を紹介します。あなたの選択に自信を持てるヒントがきっと見つかります。
歩けるのに車椅子を使うのはアリ?QOL向上のための新しい選択肢
「歩けるのに車椅子を使ってもいいの?」――そんな疑問を持つ方は少なくありません。多くの人にとって、車椅子は「全く歩けない人が使うもの」というイメージが根強くあります。しかし実際には、歩けるけれど車椅子を活用することで生活がぐっと楽になり、QOL(生活の質)を向上させることができるのです。ここでは、私自身の経験をもとに「歩ける人が車椅子を使う」ことの意味やメリットを紹介します。
当時の私が車椅子を選んだ理由
私は中学・高校時代、足の手術やリハビリで入退院を繰り返していました。通学や授業に出るだけでも足に強い負担がかかり、すぐに疲れてしまうことが多かったのです。見た目には歩ける状態でしたが、長時間の移動は体力を消耗し、勉強や部活動に支障をきたすほどでした。
そこで思いついたのが「歩けるけれど車椅子を使う」という選択です。車椅子を使えば移動にかかる体力を節約でき、その分を学業や趣味、友人との交流に使えるのではないか――そう考えたのです。
「なんで車椅子なの?」と浴びた冷たい視線
しかし、当時は「少しでも歩けるなら歩くのが当たり前」という価値観が社会に強く残っていました。私が車椅子に乗ると、「歩けるのにどうして?」という冷たい視線を浴びることも少なくありませんでした。
このように、「車椅子は歩けない人のもの」という誤解は根強く、周囲の理解を得るのは簡単ではありませんでした。しかし実際には、歩ける人が車椅子を活用することは決して特別なことではなく、むしろ合理的で前向きな選択肢なのです。
歩くことだけに体力を消耗していた日々
実際に車椅子を使う前の私は、歩くことそのものに体力を使い果たしていました。
• 長い廊下を歩くだけで疲れてしまい、授業中に眠ってしまう
• 部活動に参加したくても、移動だけでエネルギーを使い果たしてしまい参加できない
• 学校生活を楽しみたいのに、疲労が常に邪魔をする
このように「歩ける=健康的」とは限らないのです。歩くことに全力を注ぐあまり、本当にやりたいことに力を注げない状況は、決して充実した生活とは言えませんでした。
だからこそ私は「歩けるけれど車椅子を使う」という決断をしました。これは逃げではなく、QOL(生活の質)を守るための戦略だったのです。
車椅子を使って分かった意外なメリット
車椅子を使うことで得られるメリットは、移動のしやすさだけではありません。実際に使ってみて初めて気づいた、学業や人間関係、そしてQOL向上につながる意外な効果をご紹介します。
授業に集中できるようになった
車椅子に乗ることで、移動にかかる体力を大幅に節約できるようになりました。以前は教室に着く頃にはすでに疲れ果て、授業中に集中できないことも多々ありました。しかし車椅子を使い始めてからは、疲れにくくなり、授業にしっかりと取り組めるようになりました。その結果、勉強の理解度も上がり、学校生活そのものが快適になったのです。
部活動や友人との時間を楽しめた
体力を温存できることで、部活動や友人との時間も楽しめるようになりました。私は大学でギターマンドリン部に所属しましたが、車椅子を活用したことで練習や演奏に集中でき、仲間と共に活動する喜びを味わえました。以前は疲労のために参加を諦めていたことも、車椅子を使うことで「当たり前の学生生活」を取り戻せたのです。
体力の温存がQOLを高める
歩くことに全力を注がなくてもいい――それは想像以上に生活の質を高めてくれました。授業、部活動、友人との時間、趣味、すべてに余力を残せるようになったのです。
この経験から、私は「車椅子は単なる移動手段ではなく、QOLを向上させるための大切な道具」であると実感しました。
車椅子は「歩けない人」だけのものじゃない
車椅子は「歩けない人だけのもの」という誤解がありますが、実は歩ける人でも活用できます。移動の負担を減らし、家族や趣味、学業に余力を残すことで、QOL向上につながる大切なサポートツールです。
家族との時間も広がる!車椅子がもたらす意外な可能性
また、「車椅子に乗ると歩けなくなる」と思われがちですが、これは誤解です。実際には、車椅子は「歩けない人」だけのものではなく、歩ける人でも必要に応じて使うことでQOLを大きく高められる道具なのです。
例えば、私の母は腰を痛めており、長時間歩くと強い痛みに襲われます。普段の生活はある程度こなせても、遠出や観光になると「もう無理」と途中で休まざるを得ません。ところが先日、家族で遊園地へ行った際に初めて電動車椅子をレンタルしてみました。すると、母はほとんど疲れを感じることなく孫たちと一緒にアトラクションを巡り、写真を撮り、笑顔で一日を過ごすことができたのです。「こんなに楽しめたのは久しぶり」と話す母を見て、車椅子は単なる「歩けない人の乗り物」ではなく、大切な時間を共有するためのサポートツールだと実感しました。
リハビリや社会参加を支えるツールとしての車椅子
車椅子は移動を助けるだけでなく、リハビリや社会参加を後押しする役割も果たします。厚生労働省の通所リハビリテーションでは、車椅子を使うことで移動に必要な体力を温存し、勉強や仕事、趣味といった活動に集中できるとされています。実際に、「歩けるけれど疲れやすい」という人が無理に歩き続けるよりも、車椅子を適切に使った方が生活全体のパフォーマンスが上がるのです。
また、国土交通省の取り組みでも、高次脳機能障害のある人がリハビリと車椅子を併用することで、自宅や地域社会に戻り、以前のように生活を楽しむ事例が報告されています。つまり、車椅子は「歩けなくなるリスク」ではなく、自分らしい生活を取り戻すための選択肢なのです。
周囲の理解が広がることで生きやすくなる
もちろん、車椅子を使うことに抵抗を感じる人もいます。「まだ歩けるのに」「恥ずかしい」と思ってしまうのは自然なことです。しかし、母のように実際に使ってみると、その便利さと安心感に驚きます。そして何より、周囲の人たちが「無理せず楽しめてよかったね」と温かく受け止めてくれると、自分自身も安心して利用できるのです。
最近では、遊園地やショッピングモールなどでも車椅子や電動カートを気軽に借りられるようになり、体験談をSNSで発信する人も増えています。そうした一つ一つの事例が社会の偏見をやわらげ、「歩けるけれど使う」ことをもっと自然な選択にしています。
歩けるのに車椅子を使うことを迷っている人へ
「歩けるのに車椅子を使うのは甘え?」と悩む方へ。大切なのは周囲の目ではなく、自分に合った生活スタイルです。車椅子を上手に活用すれば体力を温存でき、学校や仕事、趣味の時間もより充実させられます。
自分に合った生活スタイルを選んでいい
「歩けるのに車椅子を使うなんて甘えているのでは?」と感じる人もいるかもしれません。しかし大切なのは、周囲の目ではなく、自分にとって快適で安全な生活を選ぶことです。体力を温存し、学校や仕事、趣味に集中できるのであれば、車椅子を使うのは決して悪いことではありません。
「車椅子=不自由」という固定観念を超える
社会には「歩けるのに車椅子に乗るのはおかしい」という固定観念があります。しかし実際には、車椅子は生活の質を上げるための道具です。歩ける人でも使うことで、体力の消耗を防ぎ、活動範囲を広げることができます。重要なのは、自分の体や生活に合った選択をすることです。
実際に使ってみて後悔しなかったこと
私自身、車椅子を使うことで学校生活や部活動、趣味の時間を楽しめるようになりました。歩くことだけに体力を消耗していた以前の生活に戻ることは考えられません。迷っている人も、まず試してみることで、「生活がこんなにラクになるんだ」と実感できるはずです。
まとめ ― 車椅子は前向きな生活の選択肢
「歩けるのに車椅子を使うのはおかしいのでは?」と迷う方は少なくありません。けれど、実際に使ってみると移動の負担が軽くなり、外出先での楽しみや家族との時間を思い切り満喫できるようになります。車椅子は“歩けない人のため”だけでなく、腰痛や体力の不安がある方でも気軽に取り入れられるサポートツールです。
車椅子を利用することで、行動範囲が広がり、生活のQOL(生活の質)も大きく向上します。大切なのは「周囲の目」ではなく、自分や家族の笑顔です。歩ける人でも、必要なときに車椅子を活用することは、ごく自然で前向きな選択なのです。
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