5.「自分の弱さをさらけ出そう」

 中学校の時、作文を書いて賞をいただき、テレビ取材を受けた時のことです。

「東谷さんって障害持ってるけど、何か助けたりすることってある?」

という質問に対する友人の反応が、次のようなものでした。

「助けたいと思うんだけど、瞳は頑張り屋だから自分のことは自分でしてしまう…」

この言葉を聞いて、私はハッとしました。

なぜなら私は、その友人の言葉から「もう少し甘えてほしいのに…」というメッセージを感じ取ったからです。

それまでの私は、

どんなことも自分の力でやらなきゃいけない…

人の手を借りてはいけない…

できないところを見せるのは恥ずかしい…

という張り詰めた想いを持ち、友達に「ちょっと助けて…」と言うことができない自分でいたことに気がつきました。

その気づきを得た私は、「助けて」と時には人に頼ろうとすることも大事だということを感じました。

多くの人にとって、生活するうえで物理的に人の助けを必要とすることは少ないのかもしれません。

しかし、精神的に不安なことであったり、友達関係がうまくいかず苦しんだり、誰かを頼りたいと思うことがあるでしょう。

そんな時、自分の力で乗り越えようと頑張りすぎてしまって、固い殻に閉じこもってしまっている人はいませんか。

そんなあなたに語りかけたいのです。

「助けて…と甘えることも大事だよ」と。

人は一人で生きることなんてできないのですから…。

脳性麻痺ライター・著者 東谷瞳  |障害と生きる日々

これまでの活動を振り返って、一度まとめてみようと立ち上げたのがこのサイトです。ずいぶん昔の物から最近の想いまでお伝え出来れば幸いです。

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